戦争化する世界と非戦の思想
損保9条の会・生保9条の会合同講演会
講演する西谷修・東京外国語大学名誉教授。
(立憲デモクラシーの会呼びかけ人)
10月26日、東京北区の「北とぴあ」で損保9条の会・生保9条合同講演会(商社9条の会協賛)が行われ、358名が参加した。
第一部は「平和の歌声と朗読」
朗読の会・こだま、国鉄東京合唱団が出演した。
第二部は西谷修氏の講演「戦争化する世界と非戦の思想」
その概要は以下のとおりである。
①「戦争化」する世界、最近の変質
②世界における「戦争」の変化。冷戦からテロとの戦争へ
③戦争の変質。「国民戦争」から「テロ戦」へ
④平成とはどんな時代だったのか
⑤「世界戦争」と憲法9条の意義
西谷修氏=近著「戦争とは何だろうか」(ちくまプリマ―新書)「対談集 いま非戦を掲げる」(青土社)「アメリカ、異形の制度空間」(講談社メチエ)など多数。
8月にNHK教育テレビ「100分で名著」に出演、ロジェ・カイヨワの「戦争論」を紹介した。
(西谷氏は、講演会後「三井住友9条の会」懇親会に参加された)
講演で印象に残った二つの点
西谷修先生の講演で、私の印象に残ったことは次の二点だ。
一つは、「雇用」を取引・売買の対象にしてはならないということだ。大企業の求めに応じて自由な労働、多様な雇用形態の名のもと、人材あっせん業を解禁した結果が、今日の低賃金、非正規雇用の拡大、労働組合の無力化をもたらしたということ。
もう一つは、第二次世界大戦のナチスによるユダヤ人虐殺(ジェノサイド)があり、原爆は広島・長崎の市民数十万人を一瞬で殲滅させた。次に使われたら人類が築いた文明の敗北をもたらすため、核兵器はどの国も使用できない。戦後世界は「非戦」を世界規範としたはずだ。その意味で憲法第九条は価値があるということ。(ま)