川井塾講義録
迷いますね。ここで何切るか。
いま、5ソーをツモってきたところ。ドラは9万。ここで打ち出す牌は?これはプロ雀士対象に出された設問だが、さすがに回答は分かれた。
二階堂留美さんは「2万の対子落とし」。小島武夫さんは「8万」。
「5万」と答えたのは二階堂亜紀さん。違和感を覚えるような打牌だが、実はこれが3・6・9万いずれをも受け入れ可能にする合理的な打牌だと亜紀さんは瞬時に判断している。その判断の背景には、45、78と並んだマンズの形は要牌の6万がダブっているゆえに、普通の「両面二つ」より効率が悪い、という認識がある。8万打の小島さんの意識にもそれがある。その点で亜紀さんと小島さんは共通している。そして、78万を整理した小島さんは、456だけでなく3ソー引きを想定した345の三色の可能性まで視野に入れている。
2万打の留美さんにも、小島さん同様三色が念頭にあるが、6ソーを雀頭と想定しているから、345より456意識だろう。前述の効率問題は「さておき」で、4578万をすべて温存し、ドラ9万引きにも対応できる構えをとった点が他の二人と違う。
打牌は理とともに、好みも介在して個性が発揮される多様さが興味深い。読者なら誰の打牌に共感しますか?
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