川井塾講義録
景色か到着時間優先か
東2局西家の三巡目。点棒の出入りはない。ここで早くも上段のような聴牌になった(ドラは北)。あなたならどう打ちますか?
① 7ピン打で先制リーチと出る。
②1・2ピン打と一旦聴牌崩しにでて、7ピンへのくっ付き三色を狙う。
たぶん、多くの打ち手が魅力的な②を選択するのではないか。状況にもよるけれど、私もたぶんそうする。ペン3ピンはいい聴牌とはいえないし、ドラがなければ2,600点だ。それにまだ三巡目。ここは夢を育てながらじっくり攻めたいものだと。
ところが、この打ち手の選択は①の「7ピン打・即リーチ」だった。もし、下段図のように1・2ピン落としに向かい、6ピン(とか8ピン)を引いてきたら悔やんでも悔やみきれないのではないか。
「リーチ後に6ピンをツモってきたら、ですか?しまった、三色聴牌だったなどと後ろは向かない。6ピンを河に出せば後筋3ピンで上がれる可能性は高くなると考えます。そもそも6ピンと3ピンツモは同じ確率だし、5・8ピン聴牌となっても三色が保証されているわけではないでしょう。だとすれば3ピン聴牌のまま押すほうが上がりまでのスピードが一周違います」
そうしたスピード重視はプロも含めて最近の傾向だ。でも味気なさは残る。旅に喩えるなら、目的地までの最少時間を求めるのか、時間はかかっても途中の景色も楽しみながら行くのか。人それぞれということか。が…。
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持駒 角