川井塾講義録
聴牌急ぎの「夢壊し」
上図は東風3順目の南家。点棒に動きはない。いまカン4ソーをツモって聴牌になった。(ドラは5ピン)この打ち手は迷うことなく2万打のリーチと出た。スピード頼りの先制攻撃であるが、ドラ傍の4ピンが放銃されることなく流局となった。(上がれたとしても、裏ドラがなければリーチ・ドラ1で2千6百である)
私なら聴牌取らずで1万打である。つまり下図だ。この図をじっくりと見てほしい。
大いに夢のあるイーシャンテンではないか。美しい牌の並びではないか。1万を嫌ったことでタンヤオが確定し、場合によっては食い仕掛けも可能となった。5万を引いてカン4ピン待ちとなれば3・4・5の三色。ダマテンでいい。イーペーコーも見える。
たしかに4ピンを引いてくる可能性もある。そのときは「しまった!2万打でリーチしておけばツモっていた!」などと悔やんではいけない。それも計算のうちなのだ。「しめしめ、夢が膨らんできたぞ」と4万打の2・5万。リーチで5万ならハネ満以上だ。2万は将来性豊かな大切な牌。切ってはいけない牌なのだ。
麻雀は早く聴牌してリーチすればいいというものではない。もちろんすべては時と場合によるとはいうものの、勝敗を横目に見ながら、美しい牌構成や手づくりの醍醐味を心行くまで味わうべきというのが、私の麻雀観である。
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