川井塾講義録
切るのは2か5か8か?
東3局の親。6順目に図の聴牌になった。ドラはないがタンヤオの好形である。当然リーチと攻める。ツモなら最低2千オールだ。さて、切るのは2ピンか5ピンか8ピンか、という問題である。
「どれを切っても同じでしょ」ではない。それでは繊細さに欠ける。ここでは断固5ピン打が正解である。最大の理由は「裏ドラありルール」だから。つまり、5ピンが裏ドラになることは4ピンを4枚保持している以上100%ありえないというところがミソ。
言われてみれば、単純なことだが果たしてプレー中にそこまで頭に入っているかどうか、である。「そんな僅かな可能性など関係ないよ」と一笑に付すようでは、なかなか勝者にはなれない。ある牌が裏ドラになる確率は3%程度だが、そうしたわずかな可能性をも大切にする丁寧さが積もり積もって長期的な勝者と敗者を分ける。
5ピン打が2ピン打や8ピン打より勝る理由は他にもある。端牌である2ピンや8ピン打の場合、下家に「チー」される可能性が5ピンより高いからだ。ここでも、「チーされたって関係ないじゃないか」と言ってしまっては乱暴すぎる。麻雀とはそれぞれが「わが道を行く」だけの単線ゲームではなく、相手を意識し相互関係を操りながら仕上げていくゲームなのだ。
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