川井塾講義録 

         タンキはドラか、それとも西


 南2局12巡目。ドラは「2万」。トップ目の北家Kさんは七対子の聴牌になった。勢いに乗ってもうひと上がりしておきたい。「西打」でドラの「2万」タンキリーチといきそうだが、なんとKさんは、ドラ2万を打ち出しての「西タンキ」リーチだった。たしかに「タンキは西で待て」とはいうけれど…。

 Kさんは「2万タンキ」は万子は山に残っていないとみて、ツモ上がりは無理、5万対子の筋だから出上がりも期待できないと見て、可能性の高そうな「西タンキ」を採用したのだ。西は場に親が1枚出している。

 場の状況を概観すれば…10巡目でそろそろ親が聴牌近い気配。親以外の2人は親を警戒しつつ撤退気味で守備的に安全牌を探して打ち進めている、というところ。

 ところが「西」は撤退組の南家が2枚抱えていた。リーチ時点では「カラ聴」であったが、一巡後、2万を雀頭にした親が追い掛けリーチを宣言して局面が変わる。打牌に窮した南家が、親への安全牌優先と「西」を打ち出してきたのだ。裏ドラが乗ってKさん6,400+600の収入である。

 局後、Kさんはいう。「10巡目でまだ一枚しか切り出されていないので、(親以外の)他家が2枚重ねていることは想定していました。その場合でも親からリーチが来れば安全牌として打ち出されてくる可能性が高い。いずれにしろ西は出てくると見ていたんです。アタリ牌は山だけでなく、他家の手の中にもある。それが何らかの理由で出てくる。その理由を示してあげればアシストしてもらえるんです」 

 見事な麻雀観、人間観察であった。

 


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(囲碁)九段 佐藤昌晴

 

 黒先白死 5分で有段者

 

 (ヒント)初手が急所

 


 

 

(詰将棋)  九段 西村一義

 

 「ヒント」桂のうまい活用で。

 (10分で2段)

     

 

      

      持駒 桂