川井太郎の麻雀日誌 神配牌
上図はMさんの実戦。東2局南家でもらった、とんでもない大物手の可能性を秘めた配牌だ(ドラ5万)。混老対々どころではなく、字一色、大三元、四暗刻やダブル役満、まで遠望できる。ところがMさんは親の第一打西をいきなりポンして2ピン打とした。これはいくらなんでも早すぎる。ツモの権利を捨ててまでのポンは「神配牌」のぶち壊しだ。オタ風の西などには眼もくれず静かにツモを続け、字牌の重なりや暗刻を狙いたい。
1枚目をポンしておかないともう山に隠れて出てこないのではないかという心理なのだろうか。出てこなくてもいいではないか。雀頭という用法だってある。他に対子や暗刻になる候補牌だってたくさんある。西は守備用安全牌として考えておくのもいい。そもそも、こんな早いポンでは他の字牌が出づらくなる。案の定、Mさんは聴牌できたが(下図)、結局、字牌を抑えられて上がれず、配牌時の対子「西」と「一万」をポンしただけに終わった。Mさんは、終局後手牌を公開して「倍満だったのに…」と悔しがったが、西ポンへの反省はなかった。
こうした、単純な反応主義的麻雀は味気ない。麻雀は配牌を料理するだけというものではない。ツモは第二第三の配牌であり、それを含めて可変的に構想を練り、可能性を育成していくものだ。「神配牌」をもらったときこそ、ツモによる可能性の広がりを考慮したい。同時に「神配牌」だからといって、上がりが約束されたわけでもないことも踏まえておく。場合によっては西を守備用に扱うというのは、その意味でもある。
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