編集委員の「一語一笑」



 コロナ下火(ホントかな)を奇貨に再開した4年ぶりの県東京学生寮OB会。1968年過激派のアジト化を県知事が激怒・閉鎖して55年、先細りの会だが最長老は90歳。久闊を叙す挨拶中に沖縄戦の犠牲者遺骨を含む土砂で米軍基地埋め立てなど論外と社研時代の精神は髣髴と。(ま)

 

 初代国立劇場さよなら公演で「文楽」を初体験。伝統芸能の観劇に挑戦中の友人から誘われ、劇場の見納めを兼ねて重い腰を上げた。「菅原伝授手習鑑」の初段で、字幕表示もあり何とか眠らずに済んだ。人形に動きがない時、遣い手は息もしていない様に止まって見える。この歳になっても新しい事に出会うのは楽しい。(も)

 

 JR高円寺駅周辺が大きく変わった。高架線下の飲み屋が一新されオープンテラスに。ビストロ、カフェ、ワインバーがずらっと並び、テラスのテーブルは若者たちで一杯。あの猥雑の高円寺はどこにいった、50年間住んでいたおじさんは浦島太郎だ、時間という玉手箱をあけなくても爺に!(O)

 

 スーパーのポイントでホテルランチの招待券をゲットした。通常は200円で1ポイントとなり店内で1円として使える。月に一度は現金に換金も可能だ。今回は1枚が2800ポイントなので実に56万円も買い物をした計算になり、2枚では100万円を超える。だものこのくらいのおまけはあってもいいよね。(百)

 

 れいわ新選組に対する懲罰動議に無茶苦茶憤りを感じている。大勢でやればお咎めなしのことを一人でやるとなぜ叩くのか。悲しいのは与党だけでなく野党の一部からも批判の声が上がっていることだ。改革者が時の権力者から弾圧されるのは世の常だが国会の場での少数派いじめは醜すぎる。メディアの印象操作も許しがたい。(駿)

 

 小学4年生の科目「総合」を参観、SDGsの授業だった。「貧困」「飢餓」は日本にはなく南アフリカの事として教えていた。「教育」も日本では行き届いている、税金で補助があるし大学に進学する人も多いと。給食費や修学旅行が無料ではないことも多いし、大学卒業後も奨学金の負担が残る。現実を教えない教育に違和感。(こ)

 

 少子化対策で大騒ぎしているが、子育て世帯に予算をバラマクやりかたでは子どもは増えない。子どもは男と女が結びつくことによって生まれる。「この給料じゃとてもじゃないけど結婚なんて」という若者が多いのに、彼らの思いが理解できない岸田政権。財源として消費税増税もささやかれる。非婚化はますます進むだろう。(M)

 

 朝起きて電源入れたら少し前の7時半の着信履歴。何事かと返信すれば相手は富士登山7合目あたり。ザックの中で何かがぶつかり誤操作らしい。お互いにホッとして久しぶりに会話、7月になると蟻の行列状態になるので6月にいつも登っているとか。三島の鰻を食べに行こうと話が進んだ。誤操作もたまにはいいチャンスをくれる。(京) 

 

 みかん1個とメロン1個で合計510円。メロンはみかんより500円高い。みかんの値段はいくら?という設問。もたもたと、X+Y=510円 Ý-X=500円という連立方程式を作っていると「脳梗塞ならぬ、公式でしかモノを考えられない脳硬直だのう。一瞬の閃きで答えなきゃ」ですと。OH NO!間違ってしまいました。(B)

 

 前評判通りの最年少名人、7冠制覇の藤井聡太の将棋を見ながら思う。世の期待に違わず勝つべくして勝つのは、天性の記憶力、計算能力、大局観などという次元では説明できないはず。目前の勝利よりも盤上の真理を追い求める求道者の生き様、人間性が結果に現れているのではないか。記録よりも進化の過程を見守っていきたい。(亀)

 

 この夏、上下2巻1200ページのケインズの伝記に挑戦する。ミル、マーシャル、ケインズは金儲けはフェア・プレイの競争で行われるべきで、社会全体との富裕化と切り離された金儲けを否定した。マルクスはスミスを参照にしつつ資本主義の反社会性を批判した。『はじめての経済思想史』中村隆之・講談社現代新書。(か)