雨宮処凛の「世直し随想」
虐殺やめろ!の声、世界で
あまみや かりん 作家・活動家。フリーターなどを経て2000年,自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版/ちくま文庫)でデビュー。『生きさせろ! 難民化する若者たち』(07年,太田出版/ちくま文庫)で日本ジャーナリスト会議賞受賞。
「イスラエルは虐殺をやめろ!」「G7は虐殺をやめさせろ!」
11月4日午後、イスラエル大使館前に、そんなコールが響き渡った。
この日開催されたのは、「殺すな! ガザ停戦緊急行動」。鎌田慧氏、落合恵子氏、上野千鶴子氏、神田香織氏、佐高信氏、田中優子氏、永田浩三氏、そして私が呼びかけ人となった。
集まったのは1600人。参加者が掲げるプラカードには「パレスチナ虐殺を許すな」「人を殺すな 土地を奪うな」「日本政府は静観をやめろ」「ガザ攻撃を許さない」などの言葉。
この時点で、ガザ地区での死者は1万人弱。そのうち子どもは3900人。難民キャンプや救急車までが攻撃される状況に、いてもたってもいられない人たちがそれだけ集まり、声を上げたのだ。
この日だけではない。すでに連日のようにイスラエル大使館前では座り込みが行われ、10月27日には「ダイ・イン」が開催。また29日には在日ムスリムコミュニティーが呼びかけた「パレスチナ人大量虐殺反対デモ行進」も行われ、在日ムスリムの人だけでなく日本人も多く参加した。そうして11月2日には、「上川大臣はイスラエルに攻撃中止を迫れ!」と称して官邸前でダイ・イン。5日にも大規模なデモが行われ、参加者はどんどん増えている状態だ。
今、世界中で虐殺を許さないという声が上がっている。私たちはこの不条理を絶対に認めないと発信し続けること。それしかできないけれど、続けていくしかないのだと思う。