斎藤貴男「レジスタンスのすすめ」


 

 

         平和な2023年に

  昨年はひどい年でした。ロシア軍がウクライナに侵攻、国内では安倍晋三元首相が殺害されました。コロナ禍で強行された東京五輪が、はたして汚職の巣であった事実にも、中国の脅威があおられまくる日常にも、いつの間にか慣れさせられてしまっている自分がいます。

 今年2023年こそは、平和な年であってほしい。バラ色の未来を語り合いたい。

 でも、どうでしょう。もしかしたら今年は、昨年に輪をかけてひどい年になりかねない気がしてなりません。

 中でも心配なのは、社会全体が「中国との戦争」に向かって暴走していく可能性です。戦争そのものではありません。

 人口、資源、技術力等々、あらゆる領域ですさまじい潜在力をたたえた中国は、いずれ時間の問題で世界の覇権を握ることになります。米国がまだまだ強大な現時点で無茶をするでしょうか。11月にバリ島で習近平主席と会談したバイデン大統領も、「中国による台湾侵攻は考えにくい」旨を述べていたといいます。

 なのに日本では、そういう情報はほとんど報じられることがないのです。伝えられることと言えば、中国の膨張がもたらす〃不幸〃と、米国による世界支配システムの絶対的〃正義〃。だからしてわが国は米国に絶えず寄り添い、むしろ彼らの盾となって戦うべきなのだとしか受け取りようのない論調ばかり。

 おかしくはないですか。すでに岸田文雄首相は防衛費の倍増を防衛相と財務相に指示済みで、財源確保のための増税が必定だとされています。

 報道では法人税や所得税がうんぬんされていますが、カムフラージュに過ぎません。世論がいつの間にか消費税の大増税に誘導されている光景が目に見えるようです。

 オトソ気分に浸っていられる余裕はあまりありません。一日も早く、明るい未来を!