雨宮処凛の「世直し随想」
若者たちの怒りの声
「手取り19万円で、月1万7千円の奨学金の返済がある」
「お金がたまらないから、転職も、就活も、引っ越しも、子育ても、結婚も、旅行も諦めた」
「大学2年生で400万円の奨学金を借りている。2人のきょうだいも同じくらい借りている。スーパーと病院の夜勤で働いているが、時給が低いので労働時間を増やすしかない」
これらの言葉は2月26日に都内で開催された「エキタス」の「最低賃金上げろデモ」で語られたものだ。エキタスとは、「最低賃金1500円」の実現を掲げて活動を続ける団体。
この日、渋谷でのデモには200人近くが集まり、「最低賃金上げろ」「物価が高い」「電気代高い」「ガス代高い」などの怒りの声を上げた。
4年目に突入したコロナ禍に加えて、昨年からの物価高騰。困窮者向けの相談会などにも昨年から「年金だけではやっていけない」「物価が何もかも上がっていて食事の回数を減らしている」「電気とガスが止まった」などの悲鳴が寄せられている。
都内で実施している食品配布に並ぶ人の数は今年1月、685人と過去最多に達した。コロナ以前は野宿者を中心に数十人しか並んでいなかった場に、今や子連れの女性やカップルが並ぶ。コロナ禍の生活を直撃した物価高は、不安定層にとってまさに「トドメの一撃」となった形だ。
そんな中、若者たちを中
心に上がった声。
「非正規なめるな」「派遣なめるな」「労働者なめるな」というコールが、今も耳に焼き付いている。