松崎菊也「フドートク主義」宣言

 

        辞める言葉もコピーだった」

     


 まつざき・きくや 戯作者 コント集団「ザ・ニュースペーパー」リーダーを経てTBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか」のパーソナリティ等ラジオテレビでも活躍。現在は執筆活動のほか政治風刺ライブなどを行なう。日本大学芸術学部卒


  

 総理の辞め際、

「次期総裁選に立候補せず、政治生命を賭けて能登半島の復興に一兵卒として取り組みたい」

「次期総裁選に立候補せず、私の全政治生命を賭けてコロナ対策に一兵卒として取り組みたい」

 なんだ。こいつら総理としての挨拶をコピーで済ませてきたか。思い返せば、

「二度と戦争を繰り返してはならないということを御霊の前でお誓い申し上げたい」……広島、長崎、沖縄。前任者の挨拶からコピーして繰り返しつつ、

「わが国を取り巻く防衛環境の急激な変化に対応すべく、国民の命と財産を守るため、内閣総理大臣として具体的な対策を講じてまいりたい」と人殺しの道具をアメリカの言い値で買い漁り、そのツケを増税して国民の財産をふんだくり、

「国民お一人お一人に寄り添い、子々孫々に禍根を残すことのないように、年金問題を解決して参りたい」

 と言いつつ膨大な借金を先送りし、

「二度と惨禍を繰り返さないためにも、原発に頼るエネルギー政策からの脱却をお誓い申し上げ」つつ、使用済み核燃料の処理ができないのを棚に上げ、原発の再稼働を目指す。

 さて、おまえたち? フカフカの椅子に座って役人たちを顎で使っておいて今更「一兵卒」になれるんか。

いや待て。そもそも「一兵卒」とは、骨の髄まで戦争好きと見た。