松崎菊也「フドートク主義」宣言

 

        「半年も経つと会見も変わる」

     


 まつざき・きくや 戯作者 コント集団「ザ・ニュースペーパー」リーダーを経てTBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか」のパーソナリティ等ラジオテレビでも活躍。現在は執筆活動のほか政治風刺ライブなどを行なう。日本大学芸術学部卒


 

  兵庫県知事選挙は今月17日に投開票されるが、失職して立候補した斎藤氏の知事時代の会見が、半年でずいぶんと変化したことに気づく。 告発文書を「嘘八百で人から聞いた噂話を並べ立てており誹謗中傷性が高いと判断した」頃は、肩をそびやかしていた。「俺を誰や思てるんや、兵庫県知事やど!」とすぐにも言い出しそうな態度だった

 それが、いつの間にか「嘘八百」が抜けた。やがて「誹謗中傷性の高い文書であると判断をさせていただいた」とへりくだり始め、次第に「させたいただく」だらけとなった。

 「県民の皆様にご心配をおかけしていることにつきましては」心配してへん。怒っとんのや!

 「お詫びをさせていただき、また反省をさせていただきたい」とさせていただき、責任取れと詰め寄られると、「ご負託をいただいた県政を先に進めさせていただくことが、責任を取らせていただくことであると、お答えをさせていただきたい」

 させていただきまくり、頭を深々と下げるが、記者会見で繰り返し責任を問われると、「うん」という接頭語を付けるようになった。「うん、ですから先ほど来話させていただいてます通り」

 「うん」って何や、「はい」ちゃうんかい! と付箋とか投げつけてやりたくなっても、「うん、ですからそれは何度もお答えさせていただいてますように」 

 「うん」付け過ぎて、そろそろ、運の尽き。