暇工作 「高揚する米労働運動と政府の支援」
ひま・こうさく 元損保社員・現在個人加盟労組アドバイザー
個人加盟労組に加入した女性メンバーたちが、月一回の定例ミーティング参加が無理だという。みんなが一堂に顔合わせできるのは、土曜日しかなく、それも散々擦り合わせや試行錯誤をしながら決めたものだから、「無理」と言われて、従来からのメンバーたちは困惑した。新しいメンバーは「土曜日はダメです。そこは譲れません」と意思は固い。新入だからと言って先輩たちに忖度したり、遠慮しないところは頼もしいし、自分の生活上のリズムを簡単に手放さない考え方も一貫している。一方、旧メンバーたちは「土曜日以外のウイークデーは夜遅くなることを防ぐために決めたこと。私たちはそれで生活のリズムが出来上がっているのです」という。言外に「従来から練りに練って決めたことを新しく来た人の都合に即刻あわせようとするのは譲り過ぎ。しかも、いま、一番多く時間を割いて相談しなければならないのは、新しく加入した人たちの職場の問題。自分たちのことを議論する場に出られませんって、ちょっと身勝手じゃない?」という先輩としての感情もにじむ。
それぞれ言い分や立場はもっともだが、知恵さえしぼれば解決できる問題であることも事実。全体の顔合わせ機会は減ってもミーティングを効率的に分割するとか。だが、実は、そこにも、もう一つ問題があった。ミーティングの細分化はその数だけ力量あるリーダーの存在が必要になるということだ。そう、個人加盟労組はリーダ的人材不足なのだ。少数のリーダーの掛け持ちでは物理的に続かない。
そこで暇は改めて広く呼びかけたいと思うのだ。損保で労働運動や様々な闘いを経験した熟練のOBたちが馳せ参じ、その知恵と経験を提供してくれないものかと。損保にはさまざまな闘争経験を持つ人材がたくさんいる。個人加盟労組という次代を拓く組織の発展に手を貸してもらえないものかと。個人加盟労組は、企業別組合にはないポテンシャルを有している。これからの日本社会を変えていくことができる本当の労働運動の質がある。一肌脱ぐ価値ある運動だと思うのだが、いかがなものだろうか、おのおの方。