どうした!? 維新の「シロアリ退治」
駆除には強力な殺虫剤がいい。
山口 道宏
やまぐち・みちひろ ジャーナリスト・元星槎大学教授 主著に『老夫婦が独りになる時』『東京で老いる』『男性ヘルパーという仕事』『無縁介護』『申請主義の壁』『ドキュメント ひとりが要介護になるとき。』がある。日本ペンクラブ会員。
宗教法人の解散命令請求をする所管の文科省トップが対象法人と「ズブズブの関係」では到底その任は務まらない。
「自民党と裏金」で紛糾する国会だが、一方で「旧・統一協会」(世界平和統一家庭連合)との関わりが露呈した盛山文部大臣への野党からの更迭要求は、自民・公明+日本維新の会(維新)などによって否決された(2024.2.20)。
公明党は与党だが野党の維新が反対に回り党是の「身を切る覚悟」どころか「同じ穴の〇〇〇」を公に晒した格好だ。維新には「統一教会」に負い目でもあるのか!? と勘ぐってしまうが、党代表が臆面もなく「うちは第2自民党」と語るだけのことはあった。
新聞のインタビュー記事で(自党の)不祥事が増えているが政党支持率が大きく下がらない」(日本維新の会・馬場代表)をよんで、思わずウッとなった。
国会議員公設秘書に地元の2市議がなっていたことが発覚(秘書兼務・市議報酬と秘書給与の税金二重どり)。つづいて維新の地方議員が700万円超を着服し、パチンコ、キャバクラにと報じられている。懲りない維新の不祥事だ。維新は、呪われているのか??
試みに「不祥事 維新」とweb検索してみた。出てくる出てくる91.4万件だ(2024.2.21yahoo参照)。 さらに「維新 不祥事一覧」(同)と引くと内容も凄まじい。「私物化」「ズル休みで妻と旅行」「不正受給」「政治資金規正法違反」「公職選挙法違反」「下半身露出」「ひき逃げ」「殺傷殺人未遂」など、読むのも気恥ずかしい。まるで警察の犯罪白書をみているようだ。
コロナ絡みでは、こんな話も。「府民は自宅待機、維新府議は即入院可能 医療機関のリストラを強行した維新 公費で維新首長の飲み会開催」とか。また池田市の「サウナ市長(サウナを市長室に持ち込んだ)も、維新所属の市長(当時)だった。
「万年野党はやめたほうがいい」(馬場代表)と公言するから、政治手法も自民党に似てくるのか。「社福のっとり疑惑」と文春砲(週刊文春)が追う馬場代表だが、本件は裁判所が動く事態にも。維新の威信はどこへ、と誰もが思うことだ。
公党である維新は、国民の血税である「政党助成金」を受けている。その額は約33億円(2023年)だ。国会議員は「特別公務員」だけに、前述のような数々の違法行為(疑い含む)は国民への背信行為には、しっかりと責めを負わなくてはならない。
公(おおやけ)には、現在の国会議員一人当たりの年間受けとりは、歳費(給料)2.200万円+「旧・文通費」1.200万円+事務費720万円の4.120万円とされる。さらに「政党助成金」から「分配金」が各々に加わる勘定だ(共産党は政党助成金を不受理)。政党助成金は1月1日現在の所属国会議員数で決定され黙っていても入ってくる「別腹」だ。
国会議員の懐は潤沢だ。東洋経済オンラインによれば「日本3位、国会議員の報酬 世界30か国ランキング」と伝えられる(2024.2.5)。
ところで、あの「旧・文通費」(調査研究広報滞在費)問題はどうなったのか!!
議員一人当たり1ケ月100万円がわずか1日でも支払われていたことが判明し「国会議員は国民の税金に群がるシロアリだ」と怒ったのは、他ならぬ維新の吉村副代表だった。
裏金問題で「政治と金」が糾弾されるいま、なぜ廃止!! といわないのか。
「日割り」「使途公開」「残額返納」の3点セットすら見直しは了っていない(「日割り」のみ改定、その他は「先送り」)。
公僕はなにより身ぎれいでなくてはならない。「シロアリ」は「ゴキブリ」の仲間というから、駆除には、こんな強力な殺虫剤がいい。
政党助成金は即刻廃止。
議員歳費は後払い。国会議員の給料は時給制で。
(2024.3.1記)