松崎菊也「フドートク主義」宣言

 

         「3分経てば切られるものは」

     


 まつざき・きくや 戯作者 コント集団「ザ・ニュースペーパー」リーダーを経てTBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか」のパーソナリティ等ラジオテレビでも活躍。現在は執筆活動のほか政治風刺ライブなどを行なう。日本大学芸術学部卒


 3分経てば捨てられるのは、お湯を入れたカップ焼きそばのお湯。麺がふやけて食べごろになるから。

 3分経てば捨てられるのは、水俣病未認定被害者。環境省の役人の心根がふやけて腐っているから。

 3分経てば止められるのはボクシングの試合。選手の体力消耗を防ぐ目的から。

 3分経てば止められるのは、水俣病未認定被害者。環境省の役人のあくびを防ぐ目的から。

 3分経てば切れるのはウルトラマンのエネルギー。ウルトラマンは時間切れ寸前まで全力を傾注して悪い怪獣をやっつけるために戦う。

 3分経てば切られるのは水俣病未認定被害者の持っているマイク。未認定被害者はマイクが切られるまで全力を傾注して認定されないまま亡くなった妻の苦しみを訴えた。

 環境省役人はそういう未認定被害者の訴え全てを聴くための会であると広く告知し、「水俣病は環境省の原点であります」ともぶち上げ、「被害者お一人お一人に寄り添いながら救済措置を講じてまいる所存でございます」といちおう言ってみたりするのだけれども、水俣病認定被害者はもとより、水俣病未認定被害者に至っては、心底から忌み嫌い、弱者の遠吠えと唾棄し、3分経てばトットとマイクを切るようにと、進行台本にまで書き記したことが露呈する、無能なるクソの集まりであった