松崎菊也「フドートク主義」宣言

 

         「猿ザル法作る」

     


 まつざき・きくや 戯作者 コント集団「ザ・ニュースペーパー」リーダーを経てTBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか」のパーソナリティ等ラジオテレビでも活躍。現在は執筆活動のほか政治風刺ライブなどを行なう。日本大学芸術学部卒


 

 「国民の政治不信を一刻も早く取り除かなければならない」という理由で政治資金規正法が国会で成立した。

 都合の悪いところはすべて「この先検討が必要」と注釈入り。今は検討しないということだ。一刻も早く国民の政治不信を払しょくするために「今は検討しない」「抜け穴だらけの」政治資金規正法を成立させて、さて、時間が経って、検討するから政治資金パーティーの領収書を出せと請求しても、やつらは「存在しない」と答えるだろう。では、何に使ったか文書で回答せよ、と請求すると、財務省が公文書改ざんで使った得意の「黒塗り」で提出文書を塗りつぶすだろう。

 そういう法律を作って「国民の政治不信を一刻も早く取り除いた」つもりなのだ。やつらはこれで切り抜けられると思っている。副総裁や幹事長は総理と酒を飲みながら「未来に禍根を残すような改正には反対だ」と言ったというが、総理はそれを押し切って「なにがなんでも」感を強調したが、なんのことはない。「ひとつ私に免じて」と頭を下げる見返りに「俺らを悪者にしてもいいから、ザル法で通せよ」と手を打ったに違いない。

 「猿ザル作る。猿ザル法作って去る」

 国民は猿の面の皮をいくら剥いても中身が出ないので笑うしかないが、実は中身が無いということを知らない。