松崎菊也「フドートク主義」宣言
「今年の漢字は」
まつざき・きくや 戯作者 コント集団「ザ・ニュースペーパー」リーダーを経てTBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか」のパーソナリティ等ラジオテレビでも活躍。現在は執筆活動のほか政治風刺ライブなどを行なう。日本大学芸術学部卒
「今年の漢字は?」
年末恒例の「今年の漢字一文字」が選ばれて、京都清水寺のトップの坊さんが数年前「戦」と言う字をノタくったときに思った。
人々の安寧を祈る坊主が「戦」とはなんだ?
先年その清水寺の奥の院というところに呼ばれて、ちょいとした時事風刺のお話会をやった。その坊さんがあいさつに来たので、毎年書くあの「漢字一文字」はどうにかなりませんか?と尋ねたら、「主催者が決めた字を書かされるだけで、自分が僧侶として選んだわけではないのでご容赦願いたい」とのこと。坊さんの達筆を自慢する会ではなく「やらせ」だったのだ。
総理大臣をやった男が、「総理にとっての今年の一文字は?」と記者に聞かれて「責任」と答えた。「一文字」じゃなかったのだ。やはりこの総理は国会の答弁でも「一言で簡潔にお答えください」と質問されても「一方において」などと聞かれもしない自慢話を並べたてる癖があった。
一方において、「総理と桜を見る会」の出席者の前で恒例の「今年の一句」を詠んだ。一句と言うから俳句なんだろう。
「賃上げの
花が舞い散る
春の風」
びっくりした。「花」「舞い散る」「春」、季語が三つも入っていたのだ。「さすが総理!」「見事な俳句です!」取り巻きが拍手喝采したのは言うまでもない。