雨宮処凛の「世直し随想」
最高な生誕祭
あまみや かりん 作家・活動家。フリーターなどを経て2000年,自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版/ちくま文庫)でデビュー。『生きさせろ! 難民化する若者たち』(07年,太田出版/ちくま文庫)で日本ジャーナリスト会議賞受賞。
1月27日、50歳の誕生日を迎えた。しかも今年はデビュー25年。ということで、「雨宮処凛生誕50年&デビュー25周年大感謝祭」というイベントを開催した。
会場は東京・新宿のロフトプラスワン。言わずと知れたトーク居酒屋で、このお店の存在なくして「雨宮処凛」など生まれていないと断言できる。
95年に開店したこのお店は、さまざまな知識や経験を持つ人を「一日店長」として招き、トークライブをする店。最近はアイドルや人気芸人が出ることも多いが、90年代は右翼や左翼、また犯罪歴のある人や元オウム信者なども出ることで有名なサブカルスポット。
フリーター時代、そんな場所に入り浸っていたおかげで一水会の鈴木邦男氏や元赤軍派議長の塩見孝也氏などと出会い、このような仕上がりとなったのである。
ちなみに私の初の海外旅行は北朝鮮なのだが、それはロフトプラスワンで塩見さんに「平壌に行こう!」と初対面でいきなり言われたからである。また、2度目の海外はイラクなのだが、それもロフトプラスワンで出会った一水会の人に「イラクに行こう」と誘われたことがきっかけだった。どちらも99年。デビュー1年前のことだ。
あれから約四半世紀。私に多大な影響を与えた鈴木さんも塩見さんもすでにこの世にいない。この日はロフトプラスワンを作った平野悠さんと、私の「推し」であるゴールデンボンバーの歌広場淳さん、サイコ・ル・シェイムのseekさんをお迎えして盛大に祝って頂いた。
最高な生誕祭だった。