ドジャースvsカブスが東京で開幕戦。

　今年の日本野球は、東京ドームのドジャースvsカブス戦で開幕する。そのためか、春のキャンプのときから話題の中心は常にメジャーリーグ。

　ＴＶのニュースでも、まずメジャーの日本人選手の様子が報じられ、プロ野球はその後。さらにワイドショーのスポーツの話題は、完全にメジャーが中心になった。

　過去の出来事は既に忘れ去られたかもしれないが、やはり「歴史」はきちんと残すべきで、メジャーとの関係史を少し振り返ってみると……。

　1995年、野茂英雄投手のドジャース入りが決まったときは、多くの野球ファンが「日本野球への裏切り」と非難した。解説者も「メジャーでは通じない」と声をそろえ、Ｈ氏などは「半年で尻尾を巻いて帰ってくる」と断じた。

　その野茂が予想を覆し、メジャーで成功しても、投手は通じても打者は無理との声が一般的だった。が、イチローが大活躍。それでも、外野手は通じても内野手や捕手は無理……と言われたが、松井稼頭央や城島健司が登場。

　そして「二刀流は無理」と言われた大谷翔平の活躍へと続いたのが、日本とアメリカの「野球交流史」だった。

　しかし、そんな「自虐史観」よりも注目すべきは、誰も指摘しないまま変わらない日本のプロ野球の市場規模（マーケット）だろう。

　野茂の渡米当時、メジャーの市場は約２千億円で日本とほぼ同じ。それが今ではメジャーの市場は１兆円規模に拡大。プロ野球の市場は変わらず、選手の平均年俸もメジャー４億５千万円に対し4千3百万円と差が付いた。

　理由は明らか。メジャーは野球をビジネスとして球団数も試合のやり方も拡大したが、プロ野球は親会社の所有物（企業野球）として半世紀間変わらない。この構造は、いつになったら変わるのか？